愛知地域会

事業報告「木造仮設住宅デザイン提案大競技会2025」

事業報告「木造仮設住宅デザイン提案大競技会2025」

JIA東海災害対策連セミナー2025第2回             

日本は地震大国であり、いつどこで大地震が発生するかわからない。そこで本競技では、「災害が発生する 前に備えられ、被災害後も快適に住み続けられる仮設住宅」であり同部材における住宅、非住宅に活用できる 快適な木造建築を造るシステムやデザインを建築に係わる方から募集した。

募集チラシ

 


森の見学会・勉強会 チラシ

【開催日】2025年6月28日土曜日

共 催:岡崎市、NPO法人アースワーカーエナジー、
   (公社)日本建築家協会東海支部愛知地域会
主 管:NPO法人アースワーカーエナジー
後 援:林野庁、愛知県(予定)、(公社)愛知建築士会、(一社)愛知県木材組合連合会、(一社)日本建築構造技術者協会中部支部
連絡先:NPO法人アースワーカーエナジー

 

2次公開審査会

【開催日】2025年12月6日土曜日13:30~

共催:岡崎市、(特非)アースワーカーエナジー、
   (公社)日本建築家協会東海支部愛知地域会
主管:(公社)日本建築家協会東海支部愛知地域会
後援:林野庁、愛知県、(公社)愛知建築士会、(一社)愛知県木材組合連合会、(一社)日本建築構造技術者協会中部支部、西三河林材団体連合会

 

入賞作品展

会期:2025年12月14日(日)から12月27日(土)10:00~17:00

共催:岡崎市、(特非)アースワーカーエナジー、 
   (公社)日本建築家協会東海支部愛知地域会

主管:(公社)日本建築家協会東海支部愛知地域会
後援:林野庁、愛知県、(公社)愛知建築士会、(一社)愛知県木材組合連合会、(一社)日本建築構造技術者協会中部支部、西三河林材団体連合会

 

事業記録

『木造仮設住宅デザイン提案大競技会2025』
いつでも建てられる、いつまでも住める ― 次世代の仮設住宅デザイン提案大競技会

1.主催者・協賛・後援

共催者:公益社団法人日本建築家協会東海支部愛知地域会(主管)、岡崎市、NPO法人アースワーカーエナジー 
協 賛:西三河林材団体連合会
後 援:林野庁、愛知県、(一社)愛知県木材組合連合会、(公社)愛知建築士会、(一社)日本建築構造技術者協会東海支部

2.実施内容

〇2025年6月5日(木)

応募要領を東海支部・愛知地域会ホームページ、
コンペプロポドットコムにて公開
・応募期間:2025年9月1日~9月30日
・応募資格:建築デザインを職業とする方、又は学ぶ学生
・応募要件:床面積29.7㎡、2~3人用
      岡崎資産木材の使用
      組み立てが簡単(被災者が建築に参   加)
      愛知県の矢作川流域に設置
      一定期間快適に住み続ける
      環境に配慮
・審査員:北川啓介氏(審査員長)、高野洋平氏、                          清水秀丸氏
・表彰・賞金:最終審査選出作品(5作品)に賞 金5万円

〇2025年6月28日(土)

森の見学会・勉強会 
会場:天使の森他 住所:岡崎市雨山町、東河原町内
参加者:18名
岡崎森林組合長の荻野昌彦氏、NPO法人アースワーカーエナジー理事長の小原淳氏、岡崎市役所経済振興部中山間政策課の今井智子氏のレクチャーを通して、地域の森林と林業の現状、さらに地域の森林資源からつながる人と産業の将来性について学び、市内の森および里山を見学した。

〇2025年9月30日(火) 応募締め切り

以下9作品の応募があった
・AZEKURA NEXT ・ほそながい線のような家 ・住み慣れた地域の近くで
・WOODEN CAVE ・だれでもできるはうす ・Well-being-木造仮設住宅
・Bond Flame   ・浮かぶ三角巣 ・ちゃっとい

〇2025年10月12日(日)

1次審査会
会場:(公社)日本建築家協会東海支部会議室
住所:愛知県名古屋市中区栄四丁目3番26号 昭和ビル5階
参加者:9名(北川啓介審査員長、高野洋平、清水秀丸両審査員、JIA6名)
応募作品の審査を行ない、最終審査に進む以下5作品を選定した。
・ほそながい線のような家 
・住み慣れた地域の近くで
・Well-being-木造仮設住宅
・Bond Flame 
・ちゃっとい
最終審査5作品に対して審査員から助言があった。

〇2025年10月20日(月)

1次審査結果発表(5作品)
最終審査5作品入賞者に審査員からの助言を伝え、最終審査会までにブラッシュアップを依頼した。

〇2025年12月6日(土) 

公開プレゼンテーション、最終審査、受賞作品発表
会場:TOTOテクニカルセンター名古屋プレゼンテーションルーム
住所:名古屋市中村区名駅3-28-12大名古屋ビルヂング12F
参加者:36名(北川啓介審査員長、高野洋平、清水秀丸両審査員、応募者5組11名、その他22名)
応募者からの画像と模型によるプレゼンテーションを実施した後に、公開審査を行い各賞が決定した。
【岡崎市長賞】 「住み慣れた地域の近くで」(川津悠嗣)
【西三河林材団体連合会賞】 Bond Flame(Uni Design)
【北川啓介賞】 ちゃっとい(内山知紀・小林日向)
【高野洋平賞】 ほそながい線のようないえ(山田寛)
【清水秀丸賞】 Well-being – 木造仮設住宅 –(YMHY)

〇2025年12月13日(土)

表彰式 
会場:葵丘ホール2階ギャラリー 
住所:愛知県岡崎市明大寺町西郷中39−77 葵丘ビル
参加者:22名
(受賞者4組10名、岡崎市関係者3名、JIA5名、他4名)
表彰および受賞者へのインタビューを行ない、今後の展望について意見交換を行なった。

〇2025年12月14日(日)~12月27日(土)

作品展
会場:葵丘ホール2階ギャラリー

 

〇2026年1月14日(水)

岡崎市長賞授与セレモニー
会場:岡崎市役所東庁舎4階第2来賓室
住所:岡崎市十王町二丁目9番地
参加者:10名(受賞者1名、岡崎市鈴木副市長、岡崎市関係者5名、アースワーカーエナジー1名、JIA2名)
受賞者の作品説明およびJIAから評価の内容を説明した。セレモニー後には、副市長を交えて、岡崎市型木造仮設住宅として本作品の可能性ならびに取組について意見交換を行った。

〇2026年7月(予定)

 作品集の発行(500部)
 応募者、関係者、市町村、大学および会員に配布する。

3.本事業の総括

 本事業は、「JIA東海災害対策連続セミナー2025」の第2回として開催しました。愛知地域会としては、これまで災害対策関連の活動は会として行っておらず、会員個人に委ねてきました。そのため、愛知県および県内市町村と災害関係の協定締結は現在ありません。先ずは公益団体の地域会として、地域に貢献できることを地域の方々とともに学ぶことからスタートしました。

 災害対策連続セミナーの目的
〇会員が少数(かつ高齢化が進む)地域会において地域に貢献できることを考える。
〇災害対策を通じて、行政、他団体、地域の方々と繋がる。
(地域会単独の活動としない)
〇会員が、地域の方々と共に災害対策活動に関心を持つ。
 
 第1回のセミナーでは、四国支部の内野輝明氏より「森から考える災害対策」をテーマに、平時の林業振興と災害時の木造仮設住宅供給の両立を可能とする「木材のローリングストック」について学びました。そして、岡崎市における森林再生と地域産業の循環の取組みについてNPO法人アースワーカーエナジー理事長の小原淳氏より説明を受けました。このセミナーを契機として、岡崎市の協力を得て本競技会を開催する運びとなりました。

 本競技会の開催にあたり、2005年4月初旬に東海支部長・愛知地域会長および本事業に関わる会員6名で能登の被災地を訪問しました。北陸支部長の堂田重明氏、本部災害対策会議議長の水野敦氏をはじめ北陸支部会員の皆様に被災地を案内いただき、現状や問題について説明を受けました。また、輪島市および珠洲市の応急仮設住宅を視察しました。
 能登の仮設住宅ならびに地域の林業振興について、下記の問題解決を探るテーマを設定しました。
〇建設費1,500万円を投じるのであれば、より住みやすく快適な仮設住宅および周辺
の住環境が提供できるのではないか。
〇地域の木材を活用することで、平時の林業振興にもつながる仕組みを構築する。
〇災害時における人手不足や専門職人不足といった課題に対応する。
〇仮設住宅は原則2年で撤去されるが、環境負荷を考慮すると、長期利用が可能な性
能や仕組みが必要である。
〇仮設住宅の多様性を考える。

  応募作品が9作品にとどまった点については、本競技会の広報不足を否めませんが、大学生のみの参加が1組であったことは意外でした。仮設住宅というテーマは、この地域の大学生にとってイメージしにくく、挑戦しづらかったと思われます。一方、全国から寄せられた9作品は、想定敷地を含め、いずれも多様性に富んだ提案でした。
 審査会では、北川啓介委員長より「すべてを失い絶望感の中にある被災者にとって、被災者自らが参加し、身体を動かすことが非常に大切であり、それが前を向く表情へと変わり、希望につながる。」との講評がありました。ご自身の豊富な経験に基づくもので、被災者に寄り添った提案が高く評価されました。また、東日本大震災の頃から本テーマについて考え続けてきたという応募者もおり、その真摯な取り組みや熱意が強く印象に残りました。会員を含む公開審査会の参加者のほとんどは被災地支援の経験が少なく、本審査会は多くの学びを得る機会となりました。
 
 本競技会は、この地域の仮設住宅のありかたを考える出発点として位置づけています。競技会を通じて、共催の岡崎市、地域の法人団体をはじめ、後援の愛知県、木材関連団体、建築士会の防災担当者、JSCA、そして審査員ならびに入賞者の方々とつながることができました。災害対策は、建築関連団体にとどまらず、一般企業を含む多くの主体が関心を寄せています。本事業を契機として、さらに協働者・参加者の輪を広げ、地域の災害対策の一助となる活動を継続していきます。実際に、本競技会開催中の10月には、愛知県弁護士会と共催で、発災後の住宅相談をテーマとした勉強会を開催し、能登被災地を支援されている弁護士および建築家を招きました。(第3回セミナー)
 本競技会後は、入賞作品の試作および実証実験について関係者と協議を行っており、地域における協働と支援の拡充を働きかけていきます。                            記:野々川光昭                      

4.添付資料

〇建設通信新聞(2025年12月16日)の掲載部
〇入賞5作品一覧

入賞作品一覧

建設通信新聞記事