保存研究会 保存情報「高蔵寺ニュータウン内の愛知用水と水辺公園」(データ発掘:お気に入りの歴史的環境調査))

愛知用水は愛知県尾張丘陵部から知多半島にかけての一帯に、農業用、工業用、上水道の水を供給する日本有数の大規模な多目的用水である。水源は木曽川で、岐阜県加茂郡八百津町から知多半島南端の愛知県知多郡南知多町に至る112kmの幹線水路と、そこから分岐して農業用の水を導く支線水路1,012kmからなる。愛知用水公団によって建設され、1961年9月に通水が開始された。現在は独立行政法人水資源機構によって管理されている。
名古屋近郊にニュータウン建設が構想された際、いくつかの候補地の中から現在高蔵寺ニュータウン(以下、NT)が位置する春日井市が選ばれた主な理由の一つとして、当時計画中だった愛知用水からの水源確保が挙げられる。現在NTの給水は愛知用水から高蔵寺浄水場を経て供給されている。
愛知用水はNTを縦断しているが、春日井市消防署 東出張所近くの廻間開水路から藤山台地下をトンネルで通り、岩成台(一部トンネル)、高座台では開水路となっている。(経路図参照)

開水路部分は幅約11m、延長は約1kmあり、大規模な水辺公園として整備されている。用水沿いには遊歩道が設けられ、周辺の景色を見ながら、散歩やウオーキングを楽しむことが出来る。



当初水路沿いには低い手摺が設置されていたようだが、子供の水死事故が何件か続いたため、高さ2mの武骨な亀甲金網フェンス+有刺鉄線に変更された。美しい景観を損ねているのが残念である。なおアプローチがわかりづらく、近隣住民以外にはあまり活用されていないように見受けられるのが惜しまれる。
MAP DATA

所在地:愛知県春日井市の東部丘陵地高蔵寺ニュータウン内
竣 工:1961年9月(二期事業は1981年度~2004年度)
設計監理:E.F.A.(Erik Floor and Associates Incorporated)社(米国)
参考資料:「高蔵寺ニュータウン計画」高山英華編(1967.9.11発行)
「ニュータウンの計画資産と未来のまちづくり」服部 敦著(2019.3.30発行)
「高蔵寺ニュータウン公式サイト」春日井市
水資源機構 愛知用水総合管理所 HP
山上 薫(JIA愛知)
山上建築設計


