保存研究会 保存情報「創垂館」(登録有形文化財)

(写真)外観南面
創垂館(そうすいかん)
明治21(1888)年、愛知県が小牧山山頂西側の曲輪に迎賓館として建設した。創垂館の名は孟子の「君子創業垂統為可継也」よりつけられたものだ。翌年、小牧山とともに尾張徳川家に払い下げられ、明治から大正期には同家主催の園遊会が催された。昭和5(1930)年には小牧町(当時)が寄贈を受け、戦後現在地に移築、中学校の作法室として使用してきた。昭和39年から青年の家の付属施設となったが、その後老朽化により平成24(2012)年から利用停止となった。令和2(2020)年度から保存修理工事を実施し創建当初の姿に復原され、令和4年より公開、文化行事や研修などに利用されている。

主屋は桁行8間、梁間4間、寄棟造桟瓦葺きで、西面に「供待所」、「勝手」の下屋を付す。間取りは正面西寄りに「式台」、「玄関之間」を構え、その東に「次之間」、床と付書院を備えた「上之間」が設けられている。それらの部屋の南・東面には「入側」が矩折に廻る。玄関北側に「勝手ノ間」、主屋北面には「便所」、「北縁」が接する。式台玄関、広い書院座敷などは伝統と格式を備えた近世の書院造建築で、桧主体の良材を用いた極めて上質な建物である。
また小牧山では、近年の発掘調査により発見された信長時代の石垣が復元されている。緑豊かな史跡内を散策しながら、戦国時代の遺構や歴史的建造物を見学し、山頂の小牧山歴史館、山麓のれきしるこまき(小牧山城史跡情報館)で小牧山を取り巻く歴史を学ぶことができる。


MAP

DATA
所在地:愛知県小牧市堀の内一丁目2番地
構造:木造平屋、寄棟造、桟瓦葺き
文化財指定:登録有形文化財 23-0616
参考文献:小牧山創垂館パンフレット(小牧市)
澤村 喜久夫(JIA愛知)
伊藤建築設計事務所


