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愛知地域会

保存研究会 保存情報 「御懐石志ら玉」(おんかいせき しらたま)(データ発掘・活用事例)

保存研究会 保存情報 「御懐石志ら玉」(おんかいせき しらたま)(データ発掘・活用事例)

上飯田の閑静な住宅地にひっそりと佇む「御懐石 志ら玉」は、本格的なお茶事ができる料亭として全国的にも高い知名度を誇る。
道路に面する新館は、庄屋を務めた江戸末期の町家を平成4年に移築したもの。大戸口の引戸を開けて入ると幅の広い土間に一段上がる帳場で客を出迎え、ケヤキの大黒柱と2尺1寸の梁が重厚な空間を創り出している。

その脇の雁行する通り土間を抜け、露地を挟んだ奥に建つ旧館は、昭和49年に旧小原村から移築された養蚕農家である。太い梁が架かる野趣溢れる田舎家造りのお座敷を備え、更に中庭を望む渡り廊下の先には、京都から春日井市高蔵寺の近藤家別邸を経て移築された茶室「笑庵(しょうあん)」が佇む。

新館外観夕景                        茶室-笑庵前の中庭

笑庵の建築年代は詳らかではないが、作者は江戸時代初期から続く茶家・久田家の系列と伝わる。点前座1畳・客座3畳に桝床を配した4畳半の席であり、東側に炉を据えた10畳の座敷 菊の間を控え、正式な茶事が執り行われている。

時代や出自の異なる建物が露地や中庭を介して渡り廊下などで結ばれ、敷地内を回遊できる動線となっている。歩を進めるごとに庭の木々や苔、飛び石が異なる角度から視界に広がり、どの座敷からも風情ある庭景を愉しむことができる。

茶室-笑庵内部                     菊の間

MAP

DATA

所在地:愛知県名古屋市北区上飯田西町2丁目36番

建設年:江戸末期、明治初期築、昭和49年、平成4年移築

構造規模:旧館+新館  木造2階建  茶室  平屋建て

建築面積:200㎡程(不明)

認定:名古屋市認定地域建造物資産

認定番号第90号(旧館) 第91号(新館)

川口亜稀子(JIA愛知)
Liv設計工房