保存研究会 保存情報 豊川海軍工廠 旧第一火薬庫(データ発掘)
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豊川海軍工廠 旧第一火薬庫
豊川海軍工廠は、現在の豊川市役所の北側に位置し、敷地面積約200ヘクタール、最盛期には5万人以上の人が働いていました。日本海軍の艦船や航空機の機銃や、それに使用される弾丸などの兵器を生産していました。
現在は、名古屋大学が北西の敷地約9ヘクタールを研究施設として使用し、その東側3ヘクタールに豊川海軍工廠の歴史を語り継ぐ場としての豊川海軍工廠平和公園が整備され、残存遺構として旧第三信管置場、旧第一火薬庫などを改修し保存しています。一日4回語り継ぎボランティアの方々による解説を聞きながら内部見学もできます。豊川市平和交流館も園内に建設されガイダンス施設として活用されています。また、名古屋大学敷地内に残る戦争遺構を見学する豊川海軍工廠跡地見学会が定期的に開催されています。
旧第一火薬庫は鉄筋コンクリート構造で土で覆われており、火薬庫として使用されていた部屋の壁は、コンクリートの壁に防水用コールタールが塗られ、その上に押え縁によりロックウール断熱材(パネル)が施工されています。通気用に内側に板壁が設けられた二重壁となっています。資料写真を見るとスラブ下や梁周りには施工されていませんが、コンクリート内側の結露を防ぐ役割も果たしていたと考えるとスラブ下、梁周りにも防水材、断熱材が施工されていてもしかるべきだったのかなとは思います。
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資料の写真解説によるとコンクリートの梁に微細なクラックが入っています。完成を急いだのか十分にコンクリート強度が出る前に梁の脱型が行われたのかもしれません。これは東側にある旧第三信管置場の妻壁のコンクリートの施工精度を見ても同じことが感じられます。当時の海軍のコンクリート構造の設計・施工の標準仕様がどのようになっていたのか興味あるところです。壁式コンクリート構造の設計基準が整備されたのは1960年代ですが、平面図を見る限り柱型が小さく壁量が多いようにも感じます。
床は通路より1.1mほど高く、床下は二重スラブの換気用ピット(内法高さ70㎝ほど)が設けられており、スラブ上で木下地による床板張り、その上に帯電防止対策としてリノリウムが張られています。通路側からピット内に通気口を通して空気を取り入れ二重壁を通して屋根スラブ下に壁を貫通し設けた換気用のパイプから換気塔を通して外部に換気し一定の温湿度を保っていたようです。

MAP
DATA

協力:豊川市教育委員会 生涯学習課 文化財係
参考資料:豊川海軍工廠平和公園内残存遺構保存整備事業報告書 豊川市教育委員会、豊川海軍工廠 豊川市桜ケ丘ミュージアム
住所:豊川市穂ノ原三丁目13-2
建築年代:昭和14年頃
構造:鉄筋コンクリート造平屋建 地上覆土式火薬庫
床面積:火薬庫及び前室(通路を除く)約300㎡
覆土寸法:底部約27mx18m上部約22.5mx11.5mの台形
塚本 隆典(JIA愛知)
塚本建築設計事務所


